登録販売者試験#70 風邪薬③
風邪薬(総合感冒薬)は、発熱・痛み・鼻水・くしゃみ・咳など、複数の症状に対応するために多くの成分が組み合わされています。
その中には、症状をさらに楽にするための「補助成分」 が含まれていることがあります。
1.風邪薬の「補助成分」とは?
総合感冒薬には、発熱や痛みを抑える主成分だけでなく、
「飲みやすさ」「体への負担」「だるさ」などをサポートする補助成分が含まれているものがあります。
- 胃への負担を軽くする成分
- 疲労感を和らげる成分
- 眠気を軽減する成分
- 喉の炎症を抑える生薬成分 など
これらは主役ではありませんが、症状全体を楽にする「縁の下の力持ち」です
2.甘草由来成分(グリチルリチン酸)
2-1.成分名の例
- グリチルリチン酸二カリウム
甘草(カンゾウ)に含まれる成分を取り出したもので、
のどの炎症を和らげる目的で、風邪薬やのど薬、漢方薬に広く使われています。
『以前の記事』抗炎症成分グリチルリチン酸
2-2.作用と特徴
- ステロイド様の抗炎症作用を持つ
- 喉の痛み、腫れ、声がれなどの改善に役立つ
- 風邪薬以外の一般用医薬品・漢方薬にも含まれている
「甘草=グリチルリチン酸で炎症を抑える」というイメージを持っておくと覚えやすくなります。
2-3.注意点(偽アルドステロン症)
グリチルリチン酸を長期間・多量に摂り続けると、
「偽アルドステロン症」という副作用を起こすことがあります。
- むくみ
- 高血圧
- 低カリウム血症
- 動悸・だるさ など
そのため、
- 甘草1g=40㎎の換算になる
- 1日最大配合量(医薬品として): 200mg
- 長期連用は避ける
- 高血圧・腎臓病・心臓病の人は特に注意
3.制酸成分(胃酸を中和して胃を守る)
胃を守るための制酸成分
風邪薬には、解熱鎮痛薬などで胃が荒れやすい人をサポートするために、
“胃薬の成分(制酸成分)”が一緒に入っていることがあります。
体調不良時は胃が弱りやすく、薬の刺激も負担になりやすいため、
これらの制酸成分が 胃酸を中和して粘膜を守る役割 を果たします。
『以前の記事』胃薬
成分例と特徴
● ケイ酸アルミニウム
- 胃酸をやさしく中和する
- 粘膜を保護する作用 があり、胃の刺激をやわらげる
- 胃が弱い人・空腹時に薬を飲む人にも適した成分
● 酸化マグネシウム
- 胃酸を中和して胸やけを改善
- 便をやわらかくする作用(軽い緩下作用) がある
- 便秘気味の人には相性が良い
- 逆に下痢しているときは注意
● 水酸化アルミニウムゲル
- 胃酸を中和し、粘膜をコーティング
- 胃のムカムカ・胃痛の緩和 に向く
- 下痢しやすい人との相性がよい(便を固める方向)
作用と特徴
- 胃痛・胸やけ・むかつきを緩和(ただし、あくまで補助なので胃薬は名乗れない)
風邪薬の中には、
- 解熱鎮痛成分
- カフェイン
など、胃に刺激となりやすい成分も含まれています。
そこで制酸成分を一緒に入れることで、
「飲みやすさ」や「胃へのやさしさ」を補う工夫 がされています。
特に
- 空腹時に飲むことが多い
- 胃が弱い人
- ストレスや体調不良で胃が荒れやすいとき
には、こうした制酸成分が「縁の下の力持ち」になります。
4.ビタミン類・ビタミン様物質(疲労回復)
総合感冒薬には、風邪で弱った身体の回復をサポートする目的でビタミン類やビタミン様物質が配合されることがあります。風邪の時期は食欲低下や代謝の滞りが起こりやすく、エネルギー産生や粘膜の修復に必要なビタミンが不足しやすいため、これらの成分が補助的に働きます。
『以前の記事』ビタミン類:滋養強壮剤
成分例
- ビタミンC(アスコルビン酸)
- ビタミンB2(リボフラビン)
- ビタミンB1(チアミン)
- タウリン(アミノエチルスルホン酸)
細胞修復と抗酸化(ビタミンC)
ビタミンC(アスコルビン酸)
抗酸化作用を持ち、コラーゲン生成に関わる。風邪でダメージを受けた粘膜の修復を助ける働きがある。
エネルギー代謝の促進(ビタミンB群)
ビタミンB1(チアミン)
糖質をエネルギーに変える際に必要で、不足するとだるさや倦怠感が生じやすい。
ビタミンB2(リボフラビン)
脂質・糖質・タンパク質の代謝をサポートし、粘膜の健康維持にも関与する。
代謝サポート・スタミナ維持(タウリン)
タウリン(アミノエチルスルホン酸)
肝臓の働きを補助し、細胞の代謝を整えることで疲労感の軽減に役立つ。ビタミン様物質として総合感冒薬にも応用される。
作用と特徴
- 粘膜の健康維持・回復を助ける
- 疲労感・だるさの改善
- 食事が少なくなる風邪時の栄養補助にもなる
5. 鎮静成分
ブロモバレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素
作用
・中枢神経の働きを落ち着かせ、興奮や緊張を和らげる
・軽い鎮静作用で眠気をもたらすことがある
役割
風邪で寝つきが悪い、体が落ち着かない、咳などでイライラするといった状態を改善し、休息を取りやすくするために配合される。
注意点
・眠気が出やすいため、服用後の車の運転は控える
・アルコールと併用すると作用が強く出る
・常用や過量服用は避け、決められた量を守る
6.カフェイン類
成分例
- カフェイン
- 無水カフェイン
- 安息香酸ナトリウムカフェイン
作用と特徴
- 解熱鎮痛成分の効果を補助
- 抗ヒスタミン成分などによる眠気を軽減する働きもある
※ ただし「完全に眠気が消える」わけではない
6.生薬成分(植物由来・漢方由来成分)
風邪の諸症状を和らげるために、生薬由来の成分が配合されることもあります。
■ カミツレ(カモミール)
- 発汗・抗炎症作用
- 喉の炎症、咽頭の不快感の改善
- 派生成分として「アズレンスルホン酸ナトリウム」が使われることもある
■ ニンジン(人参)・チクセツニンジン(竹節人参)
- 体力低下・疲労回復の補助
- 虚弱傾向のときの風邪に有効
まとめ:補助成分は「風邪薬をより使いやすくする縁の下の力持ち」
風邪薬の補助成分は、主成分ではありませんが
- 胃の不快感
- 疲れ
- むくみ
- 喉の炎症
- 眠気
など、風邪に伴う細かな症状を総合的に和らげる役割があります。
登録販売者試験でも
「成分の特徴」「注意点」「偽アルドステロン症」
などの内容は特に重要なポイントです。
日本語が変ですが、理解の一助になればと思います。
【参考文献】

