解熱鎮痛薬|成分の違いと正しい選び方
頭痛・発熱・生理痛——日常でもっとも手に取る機会が多い薬のひとつが解熱鎮痛薬です。
「とりあえず痛み止め」で選びがちですが、成分によって効果・副作用・使ってはいけない人が大きく異なります。この記事では登録販売者試験の内容をベースに、解熱鎮痛薬の正しい知識を整理しました。試験を受けない方にも、自分に合った薬を選ぶために知っておいていただきたい内容です。
1. 痛みと発熱が起こるしくみ
痛みや発熱は、病気や外傷に対して体が出す警報サインです。
- 痛み:体の異常を知らせるサイン
- 発熱:ウイルス感染などに対して免疫機能を活性化させる生体防御反応のひとつ
こうした反応にはプロスタグランジンという物質が深く関わっています。
プロスタグランジンのはたらき
- 痛みの感覚を強める
- 温熱中枢に作用して体温を高く維持する
- 炎症や関節の痛みを引き起こす
- 胃腸粘膜を保護し、胃酸分泌の調節にも関与する
プロスタグランジンは体にとって必要な物質ですが、過剰になると痛みや発熱の原因になります。
2. 解熱鎮痛薬とは
解熱鎮痛薬は、プロスタグランジンの生成を抑えることで、発熱や痛みを一時的に和らげる薬です。
ただし、病気の原因自体を治すものではなく、あくまで症状を緩和する「対症療法」です。
なお、腹痛の中でも痙攣性のものによる内臓痛は発生のしくみが異なるため、一部の漢方を除いて解熱鎮痛薬は効果を発揮しません。
3. 主な成分とその特徴
アスピリン(アセチルサリチル酸)

- 胃腸障害を起こしやすい
- 血液を凝固しにくくする作用があるため、手術・出産時は注意(低用量では「血液サラサラ」として使われることもある)
- 出産予定日12週以内の使用は避ける
- 重篤な副作用として、まれに肝機能障害
- 15歳未満の小児には使用禁止(ライ症候群のリスク)
ライ症候群とサリチル酸系成分の注意
アスピリンやサリチルアミドなどのサリチル酸系成分は、ライ症候群の発症リスクがあります。水痘やインフルエンザにかかっている15歳未満の小児への使用は禁止されています。
ライ症候群とは、小児がウイルス性疾患発症時に激しい嘔吐・意識障害・痙攣などの急性脳症を起こすことがある症状で、解熱剤との関連性が指摘されています。
エテンザミド

- 痛みの発生を抑える作用を持つ
- 他成分と組み合わせることで相乗効果が得られる
- ACE処方(アセトアミノフェン+カフェイン+エテンザミド)として頭痛薬に多用される
- サリチル酸系に分類されるため、ライ症候群への注意が必要
アセトアミノフェン

中枢性に作用して解熱・鎮痛をもたらします。末梢での抗炎症作用は期待できません。
- 胃腸障害が少なく、比較的穏やかな効果が特徴。食後服用が推奨される
- 空腹時やアルコール摂取時には特に注意
- 重篤な副作用として皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死症・肝機能障害の可能性あり(飲酒量が多い人に起こりやすい)
- 小児の坐薬にも含まれることがあるため、内服薬との重複摂取に注意
イブプロフェン

- アスピリンより胃腸への悪影響が少ない
- 抗炎症作用が強く、月経痛・腰痛にも使用される
- 胃・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病のある方は再発を招く可能性あり
- まれに肝障害・腎障害・無菌性髄膜炎などの重篤な副作用
- 出産予定日12週以内の妊婦は服用不可
- エリテマトーデスや混合性結合組織病の方は無菌性髄膜炎になりやすいため要相談
- 15歳未満には使用不可
イソプロピルアンチピリン(ピリン系)

- 解熱・鎮痛作用が強い
- 抗炎症作用は弱く、他の解熱鎮痛成分と併用されることが多い
- ピリン疹という固有のアレルギー症状を引き起こすリスクがある
- ただし「非ピリン系なら薬疹の心配がない」というのは誤解
4. 生薬成分による解熱・鎮痛
生薬による解熱鎮痛の作用は、プロスタグランジン産生の抑制とは別のしくみによると考えられています。総合感冒薬に配合されていることがあります。
主な解熱・鎮痛生薬
- ジリュウ(地竜):解熱作用
- ショウキョウ(生姜):解熱作用
- ケイヒ(桂皮):解熱作用
- シャクヤク(芍薬):鎮痛作用
- ボタンピ(牡丹皮):鎮痛作用
- ボウイ(防已):鎮痛作用
関節痛などにはコンドロイチン硫酸ナトリウムと組み合わせて使われることもあります。生薬については別の記事でさらに詳しく解説します。
5. 骨格筋の緊張を鎮める成分

- メトカルバモール:筋肉のこりをやわらげ、肩こりや腰痛に効果
- 副作用として眠気・ふらつきが出やすく、服用後の車の運転は注意
試験で押さえるキーワード(直前チェック用)
プロスタグランジン
→ 痛み・発熱・炎症に関与。胃粘膜保護にも必要。解熱鎮痛薬はこの産生を抑える
解熱鎮痛薬の位置づけ
→ 対症療法。原因自体は治さない
アスピリン
→ 胃腸障害・血液凝固抑制。15歳未満禁止(ライ症候群)。出産予定日12週以内禁止
ライ症候群
→ 小児がウイルス性疾患発症時にサリチル酸系解熱剤を使うと発症リスクあり
ACE処方
→ アセトアミノフェン+カフェイン+エテンザミドの組み合わせ
アセトアミノフェン
→ 胃腸障害が少ない。抗炎症作用なし。飲酒量多い人・坐薬との重複摂取に注意
イブプロフェン
→ 抗炎症作用強い。潰瘍・15歳未満・出産12週以内は禁止
ピリン系(イソプロピルアンチピリン)
→ ピリン疹のリスクあり。非ピリン系でも薬疹は起こりうる
メトカルバモール
→ 骨格筋の緊張を緩める。眠気・ふらつきに注意
参考資料
公開日:2025年7月16日
最終更新日:2026年4月23日
※この動画はNotebookLMで作成した解説動画です。自動生成のため日本語が少し不自然な部分もありますが、学習の理解を助ける参考資料としてご覧ください。

