登録販売者試験＃60　桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）

● 概要

桂枝茯苓丸は、「血の滞り（瘀血：おけつ）」を改善する代表的な漢方薬です。
体内に熱がこもりやすく、血の巡りが悪くなることで起こるさまざまな症状に用いられます。

特に、女性の生理痛・肩こり・肌トラブル（しみ・にきび）などに用いられ、冷えを伴うタイプではなく、体に熱がこもるタイプの方に適しています。ただし、男性にも当てはまる症状はあり、決して女性専用の薬でもないのです。男性の更年期障害も理解されにくく不定愁訴として自覚する場合も多いです。

桂枝茯苓丸は血行に特にアプローチできるものです。見ていきましょう。

・効能効果：比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症：月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身（打撲症）、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび

● 適しているタイプ

• 体内に熱がこもりやすい（飲酒は体内に痰湿を生みやすく、熱を溜めやすい）
• 顔がのぼせやすい（上熱下寒）
• 生理のときにイライラする
• 肩こり・頭痛がある
• しみ・にきびなどの肌トラブルがある（特に生理で軽重する）、目の下のクマ

● 効果が期待できる症状

• 生理不順、生理痛（経血量が多いタイプ）
• 更年期障害（のぼせ、ほてり、肩こり）
• 肩こり、頭痛
• しみ、にきび（血行不良によるもの）

● 養生ポイント（血の巡りをよくする生活法）

1．控えたいもの（血行を悪くする）

• 甘いもの（砂糖、洋菓子、アイスクリーム）
• 脂っこいもの（揚げ物、カレーなど）
• アルコールの摂りすぎ
• 喫煙

2．取り入れたいもの（血行をよくする）

• 黒豆、黒ごま、黒きくらげなどの黒い食材
• 酢の物、小松菜のお浸し、卵とじ
• 体を温めるお茶（黒豆茶、生姜茶など）
• 適度な運動、マッサージ、サウナも◎

● 日常に取り入れやすい工夫

• 食べすぎ・飲みすぎを控える
• 朝のストレッチで巡りを改善
• 鏡で顔色・唇の色をチェック
• 冷房の冷えにも注意する

● まとめ

桂枝茯苓丸は、「血の滞り（瘀血）」による不調を改善する女性に人気の処方です。
生理痛や肌荒れ、更年期ののぼせ、肩こりなどに悩む方におすすめ。
体を温める養生を取り入れ、日々の血流を整えることで、体の内側からきれいをサポートします。