鎮咳去痰薬|咳止め・去痰・気管支拡張成分の働きと注意点
この記事でわかること:
- 咳・痰・喘息が起きる仕組み
- 鎮咳去痰薬とは何か(役割と含まれる成分の分類)
- 麻薬性・非麻薬性鎮咳成分の違いと注意点
- 気管支拡張成分・去痰成分・抗炎症成分・抗ヒスタミン成分の働き
- 各成分の主な注意事項
咳止め・去痰薬には、中枢性・末梢性など作用の仕方が異なる複数の成分が使われています。それぞれの特徴を知ることで、咳の種類に合った市販薬を選べるようになります。
登録販売者試験の学習内容をベースに整理しましたが、咳や痰のトラブルに市販薬を使う方にも、お役立てていただければ幸いです。
呼吸器に作用する薬とは?
呼吸器に異常が起きたときに使われる薬には、以下のような分類があります:
- 鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)
- 口腔咽喉薬(こうくういんこうやく)
- 吸入薬、含嗽薬(がんそうやく)など
今回はその中でも、もっともよく使われる「鎮咳去痰薬」を中心に解説します。
鎮咳去痰薬とは?仕組みと作用
咳(せき)が出る仕組み
気管や気管支に異物(ウイルス・ほこり・痰など)が入ると、体はこれを排除しようと咳反射を起こします。
これは防御反応で、無理に咳を止めてはいけない場合もあります。
痰(たん)が出る仕組み
風邪や喫煙などで気道に炎症が起きると、気道粘膜から粘液分泌が増え、それが痰になります。
この痰が粘っこいと気道に残りやすく、それを排出しようと咳が出ます。
喘息(ぜんそく)とは?
気道粘膜の炎症がひどくなると、気道が収縮して「ぜーぜー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)をともなう喘息を引き起こします。
鎮咳去痰薬に含まれる成分の分類
以下のような作用を持つ成分が組み合わされて処方されます:
- 鎮咳成分:咳を抑える
- 去痰成分:痰を出しやすくする
- 気管支拡張成分:呼吸を楽にする
- 抗炎症成分:気道の炎症を和らげる
麻薬性鎮咳成分(中枢性)
成分名:コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩
| 特徴 | 延髄の咳中枢に作用し、強力に咳を抑える。ただし、眠気や便秘、薬物依存の恐れがあるため注意。 |
| 注意点 | ・12歳未満の小児には呼吸抑制の恐れがあり使用禁止 ・妊婦・授乳婦には慎重使用(乳児にモルヒネ中毒の恐れ) ・併用薬に注意(モノアミン酸化酵素阻害薬など) |
咳止めシロップをカップで1回分ずつ量って飲むタイプがありますが、知識のある中毒者が全量を一気に飲む危険性があります。大量購入・頻繁購入者には販売しないよう、しっかりとコミュニケーションをとることが大切です。
非麻薬性鎮咳成分
成分名:ノスカピン、デキストロメトルファン、チペピジン、クロペラスチンなど
| 特徴 | 咳中枢に穏やかに作用し、眠気や依存性が少ない。軽い咳に用いられやすい。 |
気管支拡張成分:アドレナリン作動成分
成分名:メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩など/麻黄(エフェドリン含む)
| 特徴 | 交感神経刺激によって気管支を拡張し、呼吸を楽にする。眠気は出にくいが、動悸や高血圧、血糖上昇、依存性に注意。発汗、利尿の作用あり。 |
| 注意点 | ・高血圧、心疾患、甲状腺機能亢進症の人は使用を避ける ・乳汁移行あり ・長期使用は避ける(依存・薬物耐性) |
気管支拡張成分:キサンチン系成分
成分名:ジプロフィリン
| 特徴 | 自律神経を介さず、気道の平滑筋に直接作用して気管支を拡張。 |
| 注意点 | てんかん患者では発作を誘発する恐れがある。甲状腺機能亢進、うっ血性心不全にも注意。動悸やけいれんに注意。 |
去痰成分・抗炎症成分・抗ヒスタミン成分の働きと注意点
去痰成分(痰を出しやすくする)
痰が粘り気を持つと気道に絡んで咳が出やすくなります。
去痰成分は、痰をサラサラにして排出しやすくすることで咳の原因を根本から取り除きます。
| 成分名 | 働きと特徴 |
| グアイフェネシン | 気道粘液の分泌を促し、痰を薄めて出しやすくする。比較的穏やか。 |
| ブロムヘキシン塩酸塩 | 痰の粘度を下げて排出を助ける。痰が多い咳に適す。 |
| アンブロキソール塩酸塩 | ブロムヘキシンと同じく痰を出しやすくする。去痰力は強め。 |
| カルボシステイン | 粘稠度を下げ、粘液成分を調節することにより痰を外に出しやすくする。 |
| セネガ・キキョウエキス | 生薬由来。気道粘膜を刺激して分泌を促す。漢方との併用に注意。 |
抗炎症成分(気道の炎症を抑える)
風邪やアレルギーなどにより、鼻や喉・気管支に炎症が起きると、腫れ・痛み・痰などの症状が現れます。抗炎症成分は、これらの炎症症状を抑えるために配合されます。
| 成分名 | 働き | 注意点 |
| グリチルリチン酸二カリウム | 甘草由来。副腎皮質ホルモン様作用で炎症を抑える。 | 長期使用で偽アルドステロン症のリスクあり(むくみ、高血圧、低カリウム血症など) |
| トラネキサム酸 | 炎症性物質(プラスミン)を抑制。喉の痛みや腫れに使用される。 | 血栓傾向のある人には注意。 |
| カンゾウエキス | 漢方と重複することも。甘草同様の抗炎症作用あり。 | 他剤との重複摂取に注意。 |
抗ヒスタミン成分(アレルギー・鼻水・くしゃみを抑える)
アレルゲン(花粉・ハウスダストなど)が鼻粘膜に付着するとヒスタミンが放出され、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを引き起こします。
抗ヒスタミン薬はヒスタミンの働きをブロックすることで、アレルギー症状を軽減します。
| 成分名 | 働きと特徴 |
| クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 抗ヒスタミン作用+中枢鎮咳作用もあり、風邪薬にも配合される。副作用:眠気、口渇、排尿困難など。 |
| d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 光学異性体で効果が高く副作用は少なめ。 |
| クレマスチンフマル酸塩 | 持続時間が長く、眠気もやや強い。 |
| ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 眠気が非常に強く、乗り物運転不可。鼻炎よりはかゆみ止めに多用。 |
使用上の注意:
- 第一世代抗ヒスタミン薬は、眠気や注意力低下を起こすため、運転・機械操作はNG
- 排尿障害(前立腺肥大症など)、緑内障のある人は使用を避ける
- 妊娠・授乳中は医師と相談の上で使用
まとめ|知っておきたいポイント
- コデイン・ジヒドロコデインは麻薬性鎮咳成分。12歳未満禁止・依存性に注意
- メチルエフェドリンは気管支拡張成分。高血圧・心疾患・甲状腺機能亢進症の人は禁忌
- グリチルリチン酸二カリウムは長期使用で偽アルドステロン症のリスクあり
- 第一世代抗ヒスタミン薬は眠気・排尿困難・緑内障に注意
- 去痰成分(グアイフェネシン、カルボシステイン等)は痰を出しやすくする
- 咳止めシロップの乱用・大量購入には注意を払う
参考資料
※この動画はNotebookLMで作成した解説動画です。自動生成のため日本語が少し不自然な部分もありますが、学習の理解を助ける参考資料としてご覧ください。
公開日:2025年7月27日
最終更新日:2026年5月1日

