登録販売者試験#55 半夏厚朴湯
										◆ 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)―のど・胸につかえる不安に
● 概要
「のどに何かつかえたような感じがする」(梅核気:ばいかくき)」「胸がつまって息苦しい」「ストレスで息が詰まる」――
こうした症状に用いられる代表処方が半夏厚朴湯です。
ストレスや緊張からくる「気の滞り」を解き、心身の不安やのどの違和感を和らげます。
● 構成生薬と働き

| 生薬 | 主な作用 | 補足 | 
|---|---|---|
| 半夏 | 痰(たん)を取り、気の滞りを除く | のど・胸のつかえに | 
| 厚朴 | 気の流れを整え呼吸を深くする | 胸苦しさを改善 | 
| 茯苓 | 水の滞りを除き心を安定させる | 不安感・動悸を緩和 | 
| 蘇葉 | 気をめぐらせ、気分を落ち着かせる | 胃の不快感にも効果 | 
| 生姜 | 胃腸を温めて調和をとる | 消化不良・冷えに対応 | 
→ 「痰気鬱結(たんきうっけつ)」を解く処方。気・水・痰の滞りを除いて呼吸を整える。
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● 主な適応
・のどや胸がつかえる感じ(梅核気)
・神経性胃炎・不安・不眠
・ストレスによる食欲不振・喉の違和感
・更年期の精神的不調
※添付文書上の効能効能
体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感
補脾作用の生薬がないため、脾虚には使わない。どちらかというと、瀉法の薬と考え、全体的に虚証には使いにくい、他を補いつつ気を流せる他の方法を選択する。治療の順番が大事になってきます。
● 現代的な解釈
半夏厚朴湯は「心身一如(しんしんいちにょ)」を示す代表的処方。
ストレスによる体の反応(のどの閉塞感や呼吸の浅さ)に対して、
身体的にも心理的にも穏やかに働きかける点が特徴です。
→ 精神的ストレスで体に症状が出やすい「気滞型」の女性に多く使われます。
● 注意点
・体が冷えやすい人は慎重投与。
・食欲が極端に落ちている人は効果が出にくい。
・脾虚(胃腸虚弱)の人では副作用が出やすいため注意。
[副作用]過敏症(発疹、発赤、そう痒等)、肝機能異常(AST、ALT等の上昇)、冷え
◆ 三処方の比較 ―「気」の乱れを整えるトリオ
| 処方 | 主な対象 | 特徴的な症状 | 
|---|---|---|
| 抑肝散 | 怒り・興奮・神経過敏 | イライラ・歯ぎしり・怒りやすい | 
| 加味逍遙散 | 情緒不安・ホルモン変動 | 不安・不眠・のぼせ・月経前イライラ | 
| 半夏厚朴湯 | 緊張・不安・のどの違和感 | 胸のつかえ・息苦しさ・ストレス性胃炎 | 
→ すべて「気の巡り」を整える処方だが、どの臓腑(肝・脾・肺)に働くかが異なる点を押さえると試験対策にも有効。
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◆ まとめ
心が張りつめると、体のどこかが詰まる――
それが「気滞(きたい)」の状態。
抑肝散は“怒りを鎮め”、
加味逍遙散は“気分の波をならし”、
半夏厚朴湯は“詰まりをほどく”。
現代のストレス社会ではどこかに、何が?詰まっていて、行き届かないため、その先は不足に陥っている。
だけど、体全体で滞りをとれば充足される程足りていて、詰まってただけなのか?
それとも、運ぶ力なく滞っていて、喝を入れた所で元々の流れを作るため量を足さないといけないのか?見極めがとても大事で、慎重に聞き取りをしましょう。

