1．概要

当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）は、
「冷え性で血行が悪く、体がむくみやすい人」に用いられる代表的な漢方薬です。
特に女性の月経不順・生理痛・貧血傾向・更年期の不調などに幅広く使われます。

効能効果:体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症：月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害（貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ）、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

2．適応となる主な症状

💡 体質目標：
「血の不足（血虚）」と「水の滞り（水滞）」を改善し、体の冷え・むくみ・生理不順を整える。血が暖かさも隅々に届ける作用があると考えられています。経血量も少なくなり、生理が遅れるといった生理不順を訴える事も。
滞りのある部分はむくみ、ある所では水が不足しているので、体は足りないと勘違いし、喉の渇きとして出現します。

• 生理不順、生理痛
• 足腰の冷え、むくみ
• 貧血傾向
• 頭重、立ちくらみ、めまい
• 不妊症の補助
• 更年期の体調変化

3．特徴と作用機序

🔴 試験での出題傾向：
「血虚と水滞の両方を改善」「冷え・むくみ・貧血・生理不順」
→ 特に冷え性の女性の体質改善とセットで出題されやすいです。

4．構成生薬と働き（6種）

5．服用目安・製品情報

• 分類：第2類医薬品
• 製品名：当帰芍薬散エキス顆粒（医療用は23番）
• 用法・用量：成人1回1包を1日2～3回、食前または食間に服用。

6．臨床データ（抜粋）

ツムラの実施した20～59歳女性5,000名のアンケート調査では、
「立ちくらみ」「頭重」「むくみ」「生理不順」「冷え性」などに効果実感あり。
特に立ちくらみ・むくみ・冷え性の改善が多く報告されています。

7．養生法（体質改善のポイント）

冬に向けて体を温める生活を意識しましょう。

• 食養生：
  • みかん → 気を巡らせて胃腸を整える
  • 煮物 → 消化吸収を助け、体を温める
  • レバニラ → 鉄分・ビタミン補給で貧血予防

8．こんな方におすすめ

• 手足が冷える、顔色が悪い
• 生理が不順で月経痛がある
• 立ちくらみ、めまいがある
• 体がだるく、むくみやすい
• 妊活や更年期ケアに体を整えたい