登録販売者試験#22アレルギー薬(その他)

yamadap1984@

❶ 抗コリン成分

副交感神経の働きを抑えて、鼻水の分泌を減らす目的で配合されます。

成分名ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド
特徴・作用鼻腔内の分泌を抑え、くしゃみ・鼻水を軽減する。また、口渇などの副作用が出やすい。

❷ アレルギー症状に作用する生薬成分

鼻づまりやくしゃみなどの症状を和らげる目的で配合される生薬です。

成分名シンイ(辛夷:モクレンの花蕾)、サイシン(細辛:ウスバサイシンの根)、ケイガイ(荊芥)
特徴・作用鼻の通りをよくしたり、アレルギー性鼻炎による鼻づまりやくしゃみを改善する目的で配合される。
漢方薬の構成生薬として含まれていることが多いが、単独で配合される場合もある。

漢方薬の構成生薬として含まれていることが多いが、単独で配合される場合もある。
よく使われる生薬

シンイ(辛夷)

基原植物:
• モクレン科の植物、(ハクモクレン)、(タムシバ)、コブシの蕾(つぼみ)
性質:辛、温
経絡:肺、胃

期待される作用:散風解表、宣肺通鼻
• 鎮静(ちんせい)
• 鎮痛(ちんつう)

鼻の通りを良くし、花粉症や副鼻腔炎などに配合されることが多い。

サイシン(細辛)

基原植物:
• ウマノスズクサ科の
 ケイリンサイシン、ウスバサイシンの根・根茎
性質:辛、温
経絡:肺、腎
期待される作用:散寒解表、温肺化飲、祛風止痛
• 鎮痛(ちんつう)
• 鎮咳(ちんがい)
• 利尿(りにょう)
• 鼻閉の改善

注意:
この植物の地上部には腎障害を引き起こすアリストロキア酸が含まれていることが知られており、地上部は使用しない。

ケイガイ(荊芥)

基原植物:
• シソ科のケイガイの花穂(かほ)
性質:辛、温
経絡:肺、肝
期待される作用:祛風解表、宣毒透疹、散瘀止血、祛風止痙
• 発汗(はっかん)
• 解熱(げねつ)
• 鎮痛(ちんつう)
• 鼻閉の改善
風邪初期・頭痛・アレルギー様症状によく使われ、他の解表薬(例:防風、羌活など)と併用されることも多い。

漢方は西洋薬のアレルギーとは少し違う考え方をしますが、対症療法で使うのも一つの方法です。
痒みなどの皮膚症状には
茵蔯蒿湯、
十味排毒湯
消風散
越婢加朮湯など

鼻水などの花粉症や副鼻腔炎には
葛根湯加川芎辛夷
小青龍湯
荊芥連翹湯など




(補足)ビタミン成分

アレルギー治療に直接関係はしませんが、粘膜の健康維持や回復促進のために一緒に配合されることがあります。
成分名
ビタミンB群(B1, B2, B6, B12)、ビタミンC(アスコルビン酸)など
特徴・作用
粘膜の健康維持や修復、免疫力のサポートに使用される。風邪薬などにもよく含まれる。

アレルギー反応が起きやすい人では、ちょっとしたら皮膚炎からアレルギー反応が,連鎖的に広がって喘息等生命に関わる症状に、発展する事があり適切な医療機関での判断が必要な場合もあります。
鼻炎から実は何らかの感染があり高熱、他の重大な疾患を秘めている場合もあります。
水虫や疥癬等での痒みはいくら痒み止めを飲んでも、根本治療になりませんし、アトピーや慢性の皮膚炎はOTCの範囲を超えています。
受診を嫌厭してお店の薬で済ませようとするお客様を時には説得するのも大事な事になります。

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感想(3件)

鼻炎用点鼻薬とは?

鼻炎用点鼻薬は、以下の鼻炎症状に対し局所的に作用する外用液剤です:
• 急性鼻炎(かぜによる鼻炎など)
• アレルギー性鼻炎(花粉症など)
• 副鼻腔炎による鼻づまり

このタイプの点鼻薬は、鼻腔内の血管収縮・炎症の鎮静・アレルギー反応の抑制などを目的として、複数の作用成分が配合されるのが特徴です。
その他の代表的な配合成分と特徴

分類成分例主な作用
アドレナリン作動成分ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩鼻粘膜の血管を収縮させて鼻づまりを改善。連用により「リバウンド(薬剤性鼻炎)」のリスクあり。
抗ヒスタミン成分クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩ヒスタミンが受容体にくっついて、アレルギー反応を起こすのを抑える。くしゃみ・鼻水の緩和が期待できる。
抗アレルギー成分クロモグリク酸ナトリウムヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離を抑え、発症そのものを防ぐ予防的成分。
局所麻酔成分リドカイン、リドカイン塩酸塩粘膜の痛みやヒリヒリ感を抑える。
殺菌消毒成分ベンザルコニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物細菌感染を抑える目的で配合されることがある。
抗炎症成分(炎症を抑える目的で配合)グリチルリチン酸二カリウム鼻粘膜の炎症を鎮める目的で使用される。口腔咽喉薬にも広く使用される成分で、副作用が比較的少ない。この成分は、軽度〜中等度の炎症に対して穏やかに作用するため、長期使用が懸念されるステロイド成分と異なり、安全性の面で優れています。




使用上の注意点(抗炎症成分に限らず)
• 数日間を限度として使用(改善が見られなければ医師へ)
• 感染性鼻炎との見分けに注意(細菌・ウイルス性の鼻炎に抗アレルギー薬や抗炎症薬が無効なことがある)
• 他剤との重複注意:特に口腔咽喉薬や抗アレルギー薬、風邪薬などと成分が重複する可能性があるため、併用に注意。

一般医薬品での適応は急性のアレルギー又は軽度の副鼻腔炎であり、蓄膿症や慢性化したものでは対応していません。また中耳炎や鼻茸など外見では分からない病気に発展していることも。長期連用は避け数日使用しても改善しない場合は受診を勧めてください。

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