抗炎症成分|グリチルリチン酸・甘草の効果と偽アルドステロン症への注意
「肌の赤みが引かない」「鼻の粘膜の腫れが続く」——こうした炎症が続く症状には、抗ヒスタミン成分だけでなく「抗炎症成分」が配合されている薬が使われることがあります。
この記事では登録販売者試験の内容をベースに、抗炎症成分のしくみと注意点を整理しました。試験を受けない方にも、市販薬を正しく使うために知っておいていただきたい内容です。
1. 抗炎症成分とは
抗炎症成分は、アレルギー反応によって生じる皮膚や鼻粘膜の炎症(赤み・かゆみ・腫れなど)を抑えることを目的に配合されます。
抗ヒスタミン成分が「ヒスタミンをブロックする」のに対し、抗炎症成分はプロスタグランジンなどの炎症物質の産生を抑えることで症状を和らげます。炎症そのものを抑える役割です。
2. 代表的な成分と特徴
| 成分名 | 特徴 |
|---|---|
| グリチルリチン酸二カリウム | 抗炎症作用に優れ、肌荒れ・湿疹・鼻粘膜の炎症に使われる。甘草(カンゾウ)由来 |
| グリチルリチン酸 | グリチルリチン酸二カリウムとほぼ同じ。成分の記載方法の違い |
| グリチルリチン酸モノアンモニウム | 水に溶けやすくした製剤形。飲み薬にも使いやすい |
| トラネキサム酸 | 炎症やアレルギーによる腫れや赤みを抑える。抗プラスミン作用(止血作用)もある |
| カンゾウ(甘草) | 漢方薬にも含まれるが、西洋薬的に「抗炎症成分」として配合されることもある。主成分はグリチルリチン |
3. 作用のしくみ
アレルギー反応の流れ
- アレルギー刺激を受ける
- 皮膚・鼻粘膜でプロスタグランジンなどの炎症物質が産生される
- 赤み・腫れ・かゆみが発生する
抗炎症成分のはたらき
- 炎症物質の産生を抑える
- 炎症物質の放出も抑える
- 結果としてかゆみ・赤み・腫れを軽減する
4. 使用目的と適応
鼻への効果
- アレルギー性鼻炎の鼻づまり・鼻粘膜の腫れ・充血の改善
- 慢性鼻炎・花粉症などの粘膜の炎症にも使われる
皮膚への効果
- アレルギー性皮膚炎・湿疹・じんましん・肌荒れ
5. 使用上の注意点
甘草由来成分(グリチルリチン酸系)の注意
- 長期・大量使用はNG
- 偽アルドステロン症のリスクがある(むくみ・高血圧・低カリウム血症)
- 他の薬(風邪薬・漢方薬など)にも含まれているため重複に注意
特に注意が必要な人(使用前に医師・薬剤師に相談)
- 高血圧・腎臓病・心疾患のある方
- 高齢者
6. 販売時の説明ポイント
- 「この成分は皮膚や鼻の炎症を抑えるために入っています」
- 「甘草由来の成分は作用は穏やかですが、長く使い続けるとむくみや血圧の変化が起こることがあります」
- 「他のお薬と重なっていないかご確認ください」
- 「高血圧や腎臓病の方は、一度ご相談ください」
補足|グリチルリチン酸・カンゾウを含む医薬品の注意点
(甘草の成分。風邪薬・皮膚炎治療薬・サプリなどに含まれる)
グリチルリチン酸二カリウムは炎症を抑える作用があり、風邪薬・胃薬・皮膚炎治療薬などに広く使われています。しかし摂りすぎると偽アルドステロン症という副作用を起こす可能性があります。
偽アルドステロン症とは、体内の電解質バランスが崩れてナトリウムが増えカリウムが減少し、むくみ・高血圧・筋力低下・だるさなどの症状が現れる状態です。
食品にも含まれていることに注意
甘草成分は医薬品だけでなく、お菓子・清涼飲料・健康茶・サプリメント・たれ・調味料などにも甘味料として使われています。「天然だから安心」と思って継続的に摂ってしまい、知らずに総摂取量が増えてしまうことが問題になるケースがあります。
1日40mg超は表示義務あり
グリチルリチン酸として1日40mg以上摂取する製品では表示義務があります。裏面に「グリチルリチン酸◯mg」と明記されている製品は、比較的しっかり甘草由来成分が含まれているものだと判断できます。
体に良さそうな成分でも、摂りすぎれば逆効果になります。
試験で押さえるキーワード(直前チェック用)
抗炎症成分のはたらき
→ プロスタグランジンなど炎症物質の産生・放出を抑える
グリチルリチン酸系の由来
→ 甘草(カンゾウ)由来
偽アルドステロン症
→ グリチルリチン酸系成分の長期・大量使用による副作用。むくみ・高血圧・低カリウム血症
重複摂取に注意
→ 風邪薬・漢方薬・食品にも含まれているため、知らずに摂りすぎることがある
注意が必要な人
→ 高血圧・腎臓病・心疾患・高齢者
参考資料
※解説音声はAIツール「NotebookLM」で作成しています。読み上げの不自然さが残る部分もありますが、内容の理解を助けるものとして載せています。
公開日:2025年7月23日
最終更新日:2026年4月24日

