登録販売者試験#23 剤形

剤形ごとの違い
― 錠剤・カプセル・液剤・貼付剤などの特徴と注意点 ―
薬にはさまざまな形(=剤形)があり、それぞれに適した使い方や特徴があります。
登録販売者として、患者さんに正しくアドバイスするには「剤形ごとの特性」を理解しておくことが重要です。
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1、剤形とは何か?
剤形とは、薬の「かたち(形態)」のこと。
薬の有効成分をどこに、どうやって届けるかによって、剤形が使い分けられています。
大きく分けて以下の2種類:
• 全身作用を目的に消化管などから吸収させる剤形(内服薬など)
• 患部に直接適用する局所作用の剤形(外用薬、貼付剤など)
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2 、内服薬に使われる剤形
① 錠剤(内服)
• 噛まずに飲むのが原則(特に腸溶錠は絶対に砕かない)
• 苦味や刺激を感じにくく、安定性が高い
• 高齢者や乳幼児には服用困難なこともある
• 水またはぬるま湯で服用する
•錠剤が、入ってるアルミシートを一錠ごとに切って使う人がいますが、そのまま薬を出さずに飲む事故があります。(信じられない事かもしれませんが、PTP誤飲で調べてみて下さい。)
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② 口腔内崩壊錠
• 口の中で唾液により溶ける
• 水なしで服用可能で、高齢者や嚥下困難な人にも使いやすい
• 水分摂取制限のある場合などに適しています。
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③ チュアブル錠
• 口の中で噛んで服用
• 水なしでも可
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④ トローチ・ドロップ
• 口の中でなめて溶かす
• のどや口腔粘膜に作用。噛んだり飲み込んだりしない
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⑤ 散剤・顆粒剤
• 粉末状や小粒状
• 水やぬるま湯で服用
• 味やにおいで飲みにくいことがあるが、錠剤の苦手な人や、小児に多用される
• 特に子供用の場合、飲みにくさを、カバーするために、コーティングされていて何かと混ぜた時コーティングが溶けて中の苦味が出てしまったりします。また混ぜてすぐに飲まず置いておくとそういった状況になりやすいです。
メーカーのホームページでサポートされている事もありますし、割とチョコアイスが良かったりしますが、物によりますし、子供のアレルギー状況にもよります。
登録販売者として働き始めた時興味があれば関連書籍をあたってみて下さい。
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⑥ 経口液剤
• 液体なので飲み込みやすい
• 有効成分がすでに溶けており、吸収が早い
• 依存性や血中濃度の急上昇に注意が必要
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⑦ シロップ剤
• 苦味やにおいを抑え、飲みやすく工夫
• 経口液剤に糖分を加えたもの。小児に使用されることが多い
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⑧ カプセル剤
• 内容物が散剤・顆粒剤・液剤などの場合がある
• ゼラチンやプラ製カプセル使用 → アレルギーに注意
• 水またはぬるま湯で服用。喉に貼り付くと危険
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3、外用薬として使われる剤形
⑨ 軟膏剤・クリーム剤
• 軟膏剤:油性基剤、刺激が弱い、傷口にも使用可
• クリーム剤:水分を多く含み、塗りやすいが刺激がやや強め
👆 どちらも患部を洗浄してから塗布するのが基本!
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⑩ 外用液剤
• 皮膚に直接塗布。乾きやすく、刺激を感じることがある
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⑪ 貼付剤
• 皮膚に貼って使用
• 長時間の効果が期待できる
• ただし皮膚刺激やかぶれに注意
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⑫ スプレー剤
• 有効成分を霧状にして噴霧
• 手が届かない範囲や広範囲に使いやすい
• 傷口には不向きなこともある
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まとめ|剤形に応じた使い方が重要!
剤形は、患者の使いやすさ・作用部位・安全性に大きく影響します。
登録販売者は、ただ「薬の種類」を説明するだけでなく、
• なぜこの剤形が選ばれているか?
• どう使えば安全で効果的か?
を理解して説明できることが求められます。
