医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因(前編)#3

副作用とは?
医薬品は、病気の予防・診断・治療などを目的に使われますが、期待される作用(主作用)以外に起こる反応が「副作用」です。
WHOの定義では、通常の用量で発現する意図しない有害な反応とされています。
1,副作用の種類
副作用は原因によって大きく2種類に分けられます。
(1)薬理作用による副作用
薬が体に作用することで生じる本来の薬理作用が、期待以上に現れたり、他の部位にも影響を与えたりする場合。
(2)アレルギー(過敏反応)
免疫の過剰反応により起こる副作用。アレルギー体質の人や、家族にアレルギーがある人は要注意です。
特にアレルギーが起きやすい人
- 抵抗力が弱っている
- 遺伝的にアレルギー体質
- 食品・薬品などに過敏な反応を示したことがある
⸻
2,副作用の症状と対処
副作用の症状は、軽い眠気や口の渇きから、血液や臓器の障害のような重大なものまで様々です。
症状に気づいたら、すぐに使用を中止し、医師に相談することが大切です。
⸻
3,登録販売者が必要な理由
登録販売者は、購入者の健康状態や薬の使用履歴を踏まえた適切なアドバイスを行う役割があります。
不適切な使用例
- 症状が改善しないのに漫然と使い続ける
- 本来の治療をせず、症状を一時的に抑える目的だけで使う
- 小児に大人用の薬を半量で与えるなどの誤用
⸻
4,医薬品の乱用は危険!
医薬品を用法・用量を超えて服用することはとても危険です。
以下のようなリスクがあります:
- 急性中毒
- 習慣性・依存性
- 薬物依存症
登録販売者は、大量購入や頻回購入が見られた場合は販売を控える判断も必要です。
⸻
5,相互作用と飲み合わせ
複数の医薬品、または食品と一緒に服用することで、薬の効果が強まったり弱まったり、副作用が出やすくなることがあります。これを「相互作用」と言います。
6,注意すべき食品の例
- アルコール:肝臓に負担がかかり、副作用のリスクUP
- カフェイン:薬の作用を強めたり、抑えたりすることがある

漢方処方は長く飲んで効くもの?
「自然だから安全」ではありません。長期使用では副作用のチェックが必須!
漢方薬は「体に優しい」「自然のものだから安心」と思われがちですが、長期間使用することで体に合わない場合や、副作用が出ることもあります。
特に複数の漢方処方を併用している場合や、自己判断で服用を続けている場合には、予期せぬ症状の悪化や副作用が見逃されがちです。
1ヶ月以上継続して使用する場合は、定期的に服用の見直しが必要です。専門家に相談し、漢方の種類や分量が現在の体調に適しているかを確認しましょう。体の変化に敏感になり、気になる症状があればすぐに医師や薬剤師に伝えることが大切です。
