登録販売者試験#19アレルギー薬(抗ヒスタミン)

くしゃみ、鼻水、じんましん…。春や秋、季節の変わり目に増えるアレルギー症状に対して、薬局で提供されるのが「内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)」です。
登録販売者としては、成分の理解と販売時の説明力が問われます。
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1.アレルギーの仕組みと薬の役割
■ アレルギーが起こるメカニズム
1. アレルゲン(花粉・ダニなど)が体内に侵入
2. 免疫反応が過剰に働き、「肥満細胞」が刺激される
3. 肥満細胞からヒスタミンが遊離(放出)され、ヒスタミンは「H₁受容体」に結合
4. 血管拡張、粘膜の腫れ、かゆみ、くしゃみ、じんましん など不快な症状として発現します
5.抗ヒスタミン成分はこの「H₁受容体」に先回りして結合し、作用を阻止する
これがアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、湿疹などの原因です。
2.内服アレルギー用薬の種類と成分の特徴
① 抗ヒスタミン成分
働き:
ヒスタミンが受容体に反応するのを妨げる。神経や血管に作用するのをブロックし、アレルギー症状を和らげます。


★ よく使われる成分:
• クロルフェニラミンマレイン酸塩
• ジフェンヒドラミン塩酸塩
• トリプロリジン塩酸塩
• メキタジン
• クレマスチンフマル酸塩
• フェキソフェナジン塩酸塩
• ロラタジン
• エピナスチン塩酸塩 など
★ 第1世代と第2世代の違い
特徴 | 第1世代 | 第2世代 |
中枢への移行 | しやすい → 眠気が強い | しにくい → 眠気が少ない |
持続時間 | 短い | 長い |
例 | クロルフェニラミン ジフェンヒドラミン | フェキソフェナジン ロラタジン |
3.副作用と注意点
主な副作用:
• 眠気・集中力低下・倦怠感
• 口の渇き・便秘・排尿困難(抗コリン作用)
• 視力のかすみ(調節障害)
使用上の注意:
• 眠気があるため、車の運転や機械操作は避けるよう説明が必要
• 緑内障・前立腺肥大症の人には慎重に
• 高齢者・小児では副作用が強く出やすいことがある
• 妊娠中・授乳中(乳汁移行)は使用を避けるか、医師に相談
4.販売時の説明ポイント
登録販売者が押さえるべき説明事項:
• 「この薬には眠気を起こす成分が含まれています。車の運転は避けてください」
• 「目のかすみや排尿しづらさを感じたら、すぐ使用を中止してください」
• 「他の鼻炎薬や風邪薬にも抗ヒスタミンが入っている可能性があります。重複に注意してください」
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5.キーワード
• H₁受容体をブロック
• 眠気・抗コリン作用あり
• 緑内障・前立腺肥大・高齢者・妊娠中は慎重に
• 第1世代は眠気が強く、第2世代は少ないが持続時間が長い