登録販売者試験#14消毒薬など

公衆衛生用薬とは?
「公衆衛生用薬」は簡単に言うと、身の回りの衛生を保つために使う薬や成分のこと。たとえば手指の消毒や、ドアノブの除菌、器具の殺菌に使われるものが当てはまります。
ポイント1:殺菌と消毒のちがいは?
• 殺菌・消毒は、生きている微生物をやっつけること!
• ただし、全滅させるのか、数を減らすのかで使う言葉が変わります。
簡単に覚える!
・「滅菌」=全ての微生物を殺滅、除去
・「殺菌」=死滅させる
・「消毒」=減らす・無毒化する
対象となるウイルスや菌の種類、使用する場所(皮膚?器具?)で適した配合成分や同じ成分でも濃度が変わるので注意が必要です。
あらかじめ定められた範囲内のものは医薬部外品として認められ、
器具などの殺菌・消毒も併せて目的としている物は医薬品として製造販売されます。
また、盲点なのが消毒薬の詰め替え等も定期的に容器ごと変えないと袋状のバリアーをつくりその中で菌が増殖している場合もあるのです。
ポイント2:代表的な消毒成分とその特徴
消毒成分ごとに特徴があるので、出題されやすい代表例を押さえましょう!
手指・皮膚・器具などに使う消毒成分
結核菌、真菌・細菌に広く効く。ウイルスには効果なし
刺激が強いので、原液は直接皮膚につかない様注意。肌が弱い人は注意!
・用途:手指、傷の消毒。トイレやごみ箱の消毒。医療器具の消毒
必ず水で希釈して使用、使う用途によって濃度を変えます。一般では粘膜付近には使いません。目や口などは避けましょう。石けんとありますが、洗濯洗剤などの「せっけん」ではありません。アルカリ性の強い液体なので、原液を扱う場合ゴーグルと手袋をすべきです。
赤くなったら医師へ。
ウイルス・真菌・結核菌を、含む一般細菌に広く効く。
ウイルス不活性化能:
エタノール>イソプロパノール(IP:イソプロパノールが混ざっていて少し安価)
イソプロパノールの方が脱脂作用強く、手荒れしやすい。
揮発性が高い、引火に注意・吸引に注意
目に入るとしみる!(粘膜刺激性強い:粘膜・目・傷は避ける
真菌・細菌に有効だが、結核菌・ウイルスには効果なし
塩素系
①次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)
一般細菌、真菌、ウイルス全般
皮膚刺激性強いため人体消毒には用いない。金属腐食性高いため金属機器には使えない。またプラスチック、ゴム製品も劣化させる。漂白剤にも使用
酸素系との併用で有毒ガス(塩素ガス)が発生!
②有機塩素系:ジクロロイソシアヌル酸Na、トリクロルイソシアヌル酸Na
塩素臭・刺激性・金属腐食性が抑えられていて大型施設やプールに使われる。
ポイント3:消毒薬の誤用や事故の対処法
飲み込んじゃったら?
→吸収阻害と粘膜保護のため 牛乳を大量に、牛乳がない時は水。ただし、原末や原液の場合炎症を広げることにつながるため安易に牛乳や水を飲ませて希釈&吐かせない!
目に入ったら?
→ 15分以上流水で洗う!アルカリ性の薬品は要注意。
皮膚に触れたら?
→ 石けんで洗う or 流水で15分以上。
吸い込んだら?
→ 新鮮な空気の場所へ。人工呼吸が必要なこともある!
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海外製品にも要注意!
海外では名称や成分が日本と異なることがあります。日本では発がん性ありと判断されている物もあります。
注意!
個人輸入で手に入れた薬剤で健康被害が報告されることも。特に日本薬局方に準拠していないものには注意!
消毒薬は生物を死滅させる効果があり、これを大きく考えるとタンパク質を変性させて戻せないと考えると怖くないですか?ゆで卵を生卵に戻せない事が分かりやすい例かと思います。濃度や効果を理解し、取り扱いが慎重な理由を知り上手に使っていきましょう。
まとめ
公衆衛生用薬は、身近な存在ながら意外と奥深い世界。
登録販売者として、正しい使い方・注意点・成分の特性を理解しておくことが、
お客様の安全を守る第一歩になります!
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