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1.概要
水溶性ビタミンとは、ビタミンB群とビタミンCの総称で、体に貯まりにくく、尿として排泄されやすいビタミンのことです。
つまり「まとめて一度に大量に摂れば OK」ではなく、毎日コツコツ摂ることが大事という特徴があります。
登録販売者試験では、
- どのビタミンがどんな働きを持つか
- どんな症状で補給が検討されるか
- どんな人が不足しやすいか(例:ベジタリアンのビタミンB12不足)
といった点がよく問われます。
初学者がつまずきやすいのは「働きの違い」。
とくに B1=糖代謝、B2=脂質代謝、B6=タンパク質代謝、B12=造血・神経、C=抗酸化・コラーゲン
このあたりを整理して覚えることで理解がとても楽になります。
2.ビタミンB群
ビタミンB1(チアミン類)
働き
- 炭水化物(糖)からのエネルギー産生に不可欠。
- 神経の正常な働きを維持する作用、腸管運動を促進する働きがある。
補給される症状・場面
- 筋肉痛
- 神経痛
- 関節痛(肩・腰・肘・膝痛、坐骨神経痛など)
- 手足のしびれ
- 便秘
- 眼精疲労(慢性的な目の疲れ・かすみ目、目の奥の痛み)
脚気、胃腸の弱り、肉体疲労、病後・産後、妊娠授乳期の体力低下など
ビタミンB1(チアミン類)
働き
- 脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ。
補給される症状・場面
口角炎、口内炎、湿疹、ニキビ、肌荒れ、妊娠授乳期の体力低下など
- 口角炎(唇の両端の腫れ・ひび割れ)、口唇炎(唇の腫れ・ひび割れ)、口内炎、舌の炎症
- 湿疹、皮膚炎、にきび、ただれ、にきび痕、吹き出物、肌荒れ、赤ら顔に伴う顔のほてり
- 粘膜、皮膚、爪などの細胞再生に必要
- 目の充血
- 肉体疲労、妊娠・授乳期、病中・病後の体力低下時のビタミンB2 の補給。
※尿が黄色くなるのはB2由来で、心配は不要。
ビタミンB6(ピリドキシン・ピリドキサール類)
働き
- タンパク質の代謝に関与し、タンパク質の分解と合成を助ける
- 皮膚や粘膜、爪の健康維持
- 神経機能の維持に重要
- セロトニン:(いわゆる幸せホルモン)がトリプトファンとビタミンB6が結合してできる
補給される症状・場面
口角炎、湿疹、肌荒れ、舌炎、手足のけいれんなど
- 口角炎、口唇炎、口内炎、舌炎
- 湿疹、皮膚炎、にきび、ただれ、にきび痕、吹き出物、肌荒れ
- 手足の痙攣
- 妊娠・授乳期、病中・病後の体力低下時
ビタミンB12(コバラミン類)
働き
- 造血作用:正常な赤血球の産生を助け、貧血を予防します。
- 末梢神経の修復や発達に関わり、手足のしびれなどの神経障害を防ぎます
- ベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者):動物性食品を摂取しないため、ビタミンB12が不足しやすい傾向があります。
不足による症状
貧血(疲労、息切れ)、神経障害(しびれ、ピリピリ)、認知機能の低下様症状。
- 貧血:疲労感や脱力感。
- 末梢神経障害:手足のしびれやピリピリ感。
- 神経系の問題:脳神経の機能低下による錯乱や認知症の症状。
ビタミンC(アスコルビン酸類)
働き
- 強い抗酸化作用
- 皮膚や粘膜の健康維持
- コラーゲン生成を助ける
- メラニン産生を抑え、シミ・そばかす・日焼け後の色素沈着改善に役立つ
不足した場合
歯ぐきからの出血、鼻血、壊血病など。
- 歯ぐきからの出血、鼻血の予防。(壊血病はビタミンC不足でしたね)
補給される症状・場面
疲労、病後、老年期、しみ・そばかす・日焼けなどの肌トラブル。
- しみ、そばかす、日焼け、かぶれによる色素沈着の症状の緩和。
- また肉体疲労時、病中・病後の体力低下時、老年期における補給。
その他の水溶性ビタミン
- ビタミンB5(パントテン酸・パントテノール類)
- ビオチン
いずれも皮膚や粘膜などの機能を維持する働きがある。
3.構成ビタミンごとの働き
●ビタミンB1 → 糖の代謝・疲労改善・神経の維持
●ビタミンB2 → 皮膚・粘膜の修復、代謝促進
●ビタミンB6 → タンパク質代謝、皮膚・粘膜の健康
●ビタミンB12 → 造血、神経の修復
●ビタミンC → 抗酸化、粘膜・皮膚の強化、コラーゲン生成
まとめ
水溶性ビタミンには、ビタミンB群(B1, B2, B6, B12, ナイアシン, パントテン酸, ビオチンなど)とビタミンC が含まれます。
特徴は「尿に溶けて排泄されやすい」ため、体内に貯蔵されにくく、毎日摂取が必要である点です。逆に言うと「高濃度」飲むより少しずつでも毎日摂取する事が大事で、仮にたくさん飲んでも排泄されてしまうので体の機能とサプリメント代の無駄遣いとなってしまいます。