登録販売者試験 #30胃腸薬❹

【第4回】胃粘膜を守る成分と、気泡を分離する薬のちから
今回は、「胃粘膜の保護・修復」「炎症の緩和」「消泡作用」に関する成分を紹介します。これらの薬は、胃そのものを守るはたらきがあります。
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胃粘膜保護・修復成分とは?
胃の粘液分泌を促し、胃壁を物理的に保護して荒れた粘膜の修復や潰瘍の予防などを目的とした成分です。
主な成分とその特徴
使用時の注意点
• 透析療法を受けている人は、アルジオキサ、スクラルファートの使用を避ける。(アルミニウムを含有)
• 長期連用は避ける。
• 腎臓病の診断を受けた人は、アルジオキサ、スクラルファートを使用する前に医師に相談。(アルミニウムを含有)
• ソファルコン、テプレノン:まれに副作用として肝機能障害が出ることもあるため、肝臓病のある人は医師に相談。
• テプレノンの副作用には腹部膨満感、吐き気、腹痛、頭痛、下痢、便秘、口渇などもある。
• セトラキサート塩酸塩:体内でトラネキサム酸が生成され、それが分解しにくいため血栓がある人、血栓を生じるおそれのある人は注意が必要。
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胃粘膜の炎症を和らげる成分
胃の粘膜が炎症を起こしているときに、その炎症を緩和する目的で使用されます。
成分例と特徴成分名
・グリチルリチン酸ニカリウム
・グリチルリチン酸ナトリウム
・グリチルリチン酸モノアンモニウム
・カンゾウ(甘草)
これらの成分は、抗炎症作用により胃の粘膜の腫れや赤みを抑えると考えられています。
グリチルリチン系に関しては、前述している通り、色々な薬に少しずつ配合されており総合で過量になったり漫然使用が見過ごされがちです。偽アルドステロン症など気をつけなくてはいけない副作用に繋がります。
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消泡成分(しょうほうせいぶん)
胃の中で発生したガスや泡が原因の不快感や膨満感を軽減する成分です。
胃の内容物中に発生した気泡の分離を促す作用がある。ガスによる膨満感・げっぷ・おならなどの軽減に役立ちます。
まとめ
この第4回では、胃の粘膜を守る成分、炎症を抑える成分、ガスを取り除く成分についてまとめました。特に、腎臓や肝臓に疾患がある方は、使用前に必ず医師に相談する必要があります。胃腸薬には、見た目には似ていても目的や成分がまったく異なるものも多いため、症状に応じて適切な薬を選ぶ知識が大切です。