登録販売者試験#56 婦人薬
										〜女性のリズムと向き合う、やさしいおくすり〜
婦人薬は、女性の月経や月経周期にともなう不調を中心に、女性特有の症状に使われるお薬です。
登録販売者としては、
- 婦人薬の配合成分の作用・副作用
 - 相互作用や受診勧奨のポイント
をしっかり押さえておきましょう。 
🌙1.婦人薬の適用対象となる体質・症状
症状
🩸月経と閉経
女性の月経とは、子宮の内膜(子宮内膜)が剥がれ落ち、血液(経血)とともに排出される生理現象のこと。
この周期は個人差がありますが、一般的には21〜40日の範囲。
一方で閉経は、女性ホルモンの分泌が減少して月経が止まること。閉経の前後は更年期と呼ばれ、**体の大きな変化(更年期障害)**が起こりやすい時期です。
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🌼女性ホルモンの変化に関係する主な病気
| 病名 | 内容 | 
|---|---|
| 月経前症候群(PMS) | 月経の約10〜3日前に現れ、月経開始とともに消失。腹部膨満感、頭痛、乳房痛、気分の不安定など。 | 
| 血の道症 | 加齢や出産、更年期などに伴う女性ホルモンの変化による精神・身体の不調、集中力の低下。抑うつや神経症状など。出産の有無や重軽により更年期関係なく起こる。 | 
| 更年期障害 | 更年期に入ると月経周期が不規則になり、不定愁訴(頭痛、ほてり、めまい、イライラ、冷えなど)が出現。 | 
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2.婦人薬とは
婦人薬は、月経および月経周期に伴って起こる症状を中心に、女性に現れる冷え症、月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、血色不良、便秘、むくみなどを改善する目的で用いられます。
また、血の道症や更年期障害にも用いられます。
OTCで売られている商品の一部紹介
・命の母

漢方の組み合わせに+生薬数種
【害虫害獣駆除】業界最安値に挑戦中!作業実績20万件突破3.婦人薬の主な配合成分
👩🔬女性ホルモン成分
OTCで販売できるのには限界がある部分です。エクオールなどもややこの分類ですが、ホルモン治療は基本医師の指示になります。
| 成分名 | エチニルエストラジオール、エストラジオール | 
|---|---|
| 作用と特徴 | 人工的に合成された女性ホルモン。皮膚や粘膜から吸収され、体内で作用。 | 
| 注意点 | 長期連用で血栓症を起こすおそれ。また、乳がん・脳卒中のリスクを高める可能性あり。継続使用には医師の指導が必要。 催奇形性も報告があり、乳汁以降もあるため妊婦・授乳婦は避ける。  | 
🍋ビタミン成分
| 成分 | 主な作用 | 
|---|---|
| ビタミンB群・C | 疲労時に消耗しがちなビタミンの補給 | 
| ビタミンE | 血行促進作用 | 
🌿生薬成分
| 成分名 | 作用 | 
|---|---|
| サフラン、コウブシ | 鎮静・鎮痛。滞っている月経を促す。 | 
| センキュウ、トウキ、ジオウ | 血行促進、冷えの緩和、鎮静、鎮痛。 | 
| シャクヤク、ボタンピ | 鎮静・鎮痙。 | 
| カンゾウ | 抗炎症。 | 
| オウレン、ソウジュツ、ビャクジュツ、ダイオウ | 胃腸症状の改善。 | 
| モクツウ、ブクリョウ | 利尿。 | 
| サンソウニン、カノコソウ | 鎮静 | 
🌺4.月経・更年期障害に用いられる代表的な漢方処方製剤
| 成分名 | 特徴・適応症状 | 注意点 | 
|---|---|---|
| 温清飲 | 体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症:月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎 | 胃腸の弱い人は不向き。まれに肝機能障害あり。 | 
| 加味逍遙散 | 体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症(※)、不眠症 | 肝機能障害、腸間膜静脈硬化症に注意。 | 
| 桂枝茯苓丸 | 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の症(※)、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび | 体の虚弱な人は不向き。まれに肝機能障害あり。 | 
| 五積散 | 体力中等度またはやや虚弱で、冷えや腹痛のある人の胃腸炎・腰痛、更年期障害など。 | 体の虚弱・胃腸の弱い人には不向き。発汗傾向の人も不向き。甘草、麻黄含む。 | 
| 桃核承気湯 | 体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症 | 体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢がち、副作用で下痢になりやすい人。甘草、大黄含む。 | 
| 四物湯 | 体力が低下して腹力がなく冷え症で、皮膚がカサカサと乾燥して色つやが悪い人に向く薬です。女性に用いられることが多く、産後・流産後の疲労回復、月経不順やいわゆる血(ち)の道症 | 胃腸症状(食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、下痢)に注意が必要 | 
| 柴胡桂枝乾姜湯 | 体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎体力中等度以下で冷え症・のぼせ・動悸がある更年期障害など。 | まれに肝機能障害に注意。 | 
| 知柏地黄丸 | 体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、口渇があるものの次の諸症:顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみ | 次の人は服用しないでください (1)胃腸の弱い人 (2)下痢しやすい人  | 
| 当帰芍薬散 | 体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り | 胃腸が弱い人には不向き。 | 



⚗️5.婦人薬の相互作用
婦人薬は、生薬成分を含む他の薬や医薬品と併用すると、同じような系統や同じ成分が重なる事が多く、作用が強く出たり副作用を起こすことがあります。
特に、医師の治療を受けている人は使用前に必ず相談が必要です。
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🩺6.受診勧奨のポイント
婦人薬を販売する際には、次のような場合は医療機関の受診を勧めることが大切です。
- 1か月以上使用しても症状が改善しない。
 - 次第に増悪する月経痛や大量の出血を伴う場合。
 - おりものの量や性状が急に変化した場合。
 - 月経以外の不規則な出血がある場合。
 - 不定愁訴が重く、生活に支障をきたす場合。うつ状態や重症、悪化傾向にはメイン治療が、あります。病院受診が第一。OTC薬はあくまでも安定したもののちょっとした不調レベルでの対応と考えましょう。
 
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💬まとめ:
婦人薬は「冷え」「血の滞り」「ホルモンの乱れ」を整える、女性の味方。
でも、使い方を間違えると逆効果になることも。
しっかりと体質と症状を見極め、必要に応じて医師の診断を勧めることが登録販売者の大切な役割です。
追記:登録販売者試験用に書いている漢方処方の内容はOTC販売で違法にならないように、効能効果の部分特に変えないよう心がけています。ミスがあれば教えてください。また、これは基本なので覚えていて損はありません、そこから登録販売者試験用の内容を書き終えてから発展させていきたいので、今後基本との違い等が紹介していけたらなと思います。今回は漢方処方を多く紹介したのですが、こんなのがあるんだな程度にとらえていれば試験では大丈夫と思います。

