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― 第1部:添付文書と使用上の注意(つづき)
一般用医薬品の添付文書に記載されている「使用上の注意」は、登録販売者試験でも実務でも極めて重要な項目です。
なかでも「してはいけないこと」は、守らなければ症状の悪化や重篤な副作用、医薬品事故につながるおそれがあるため、特に重点的に確認すべき内容といえます。
ここでは、添付文書の決まった書き方を踏まえながら、「使用上の注意⑤ してはいけないこと」を項目ごとに整理して解説します。
使用上の注意⑤「してはいけないこと」とは
なぜ「してはいけないこと」最重要なのか
「してはいけないこと」には、守らないと症状が悪化する事項、
「副作用または事故などが起こりやすくなる事項」が記載されます。
一般用医薬品は、医師の診断なしに使用されるため、生活者が自己判断で誤使用しやすいポイントが、あらかじめ明示されています。
なお、
一般用検査薬では
検査結果のみで確定診断はできないため、判定が陽性であれば速やかに医師の診断を受ける旨が記載されます。
次の人は使用しないこと
「してはいけないこと」の一般的な例
重篤な副作用を起こすおそれが高い人
- アレルギーの既往、症状や状態、基礎疾患、妊娠・授乳の有無などからみて、
重篤な副作用を生じる危険性が特に高いため、使用を避けるべき人について、
生活者が自らの判断で認識できるよう記載されます。
使用しても改善が期待できない症状
- その医薬品では改善が期待できない症状、
その使用により状態が悪化するおそれのある疾病や症状で、
一般の生活者に誤って使用されやすいものが記載されます。
記載される代表的な重篤な副作用
- 重篤な副作用として、
ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、
中毒性表皮壊死融解症、喘息などが挙げられている。
- 医薬品では、
「アレルギーの既往歴がある人などは使用しないこと」
と記載されます。
小児に関する年齢制限
- 小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある医薬品は、
通常、本項に
「15歳未満の小児」「6歳未満の小児」
などとして記載されます。
次の部位には使用しないこと
- 使用を避けるべき患部の状態、
適用部位などに分けて、
簡潔に記載されます。
併用してはいけない医薬品の考え方
本剤を使用している間は、次の医薬品を使用しないこと
- 併用すると
作用の増強、副作用などのリスクの増大が予測されるものについて、
注意を促し、使用を避けるなどの適切な対応が図られるよう記載されます。
- 医療用医薬品との併用については、
処方された医薬品の使用を
自己判断で控えることは適当でないため、
本項ではなく、
「相談すること(使用前)」の項で、
「医師(または歯科医師)の治療を受けている人」
などとして記載されます。
その他「してはいけないこと」
副作用、または副作用により誘発される事故の防止を図るため、
次のような事項が記載されます。
運転や機械操作の禁止
- 服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと
→ 眠気や異常なまぶしさなどが引き起こされると、
重大な事故につながるおそれがあるため。
授乳中・飲酒時の注意
- 授乳中の人は本剤を服用しないか、
本剤を服用する場合は授乳を避けること
→ 一部が乳汁中に移行し、乳児に悪影響を及ぼすおそれがある成分を含む場合。
- 服用前後は飲酒しないこと
→ アルコールにより、医薬品の作用の増強、副作用を生じる危険性の増大が予測される場合。
長期連用を避ける理由
- 長期連用しないこと
→ 連用すると
副作用が現れやすくなる成分、
効果が減弱して医薬品に頼りがちになりやすい成分、
比較的作用の強い成分が配合されている場合。
※小児では通常当てはまらない内容もありますが、
小児に使用される医薬品でも、
その医薬品の配合成分に基づく一般的な注意事項として記載されます。
「してはいけないこと」は、
試験対策として覚えるだけでなく、医薬品事故を防ぐための最重要情報です。添付文書の書き方のルールを理解すると、暗記ではなく、理由をもって整理できるようになります。
【参考文献】