薬の作用のしくみ|全身作用・局所作用・吸収のしくみ
「飲み薬はなぜ効くまでに時間がかかるのか」「舌下錠はなぜ即効性があるのか」——薬の作用のしくみを知ると、市販薬の選び方や使い方への理解が深まります。
この記事では登録販売者試験の内容をベースに、薬が体内でどう作用するかを整理しました。試験を受けない方にも、薬を正しく使うために知っておいていただきたい内容です。
1. 全身作用と局所作用
全身作用
薬の有効成分が消化管などから吸収され、血液を通じて全身をめぐって作用するものです。
- 例:内服薬、坐剤、経皮吸収型製剤など
- 吸収 → 代謝 → 分布 → 排泄の流れをたどる
- 効果が出るまで時間がかかることがある
- 副作用も全身に出る可能性がある
局所作用
薬の効果を特定の部位に限定して発現させる作用です。
- 例:点眼薬、うがい薬、湿布、吸入薬など
- 比較的速やかに効果が現れる
- 副作用もその部位に限られることが多い
ただし、局所作用を狙った薬でも全身性副作用が出ることがあり、逆に全身作用を狙った薬でも局所的副作用が起こることがあります。例えば、目薬で起こる全身のアレルギー反応、内服薬で起こる胃粘膜障害などがその例です。
2. 吸収部位ごとの特徴
消化管吸収(経口投与)
- 主に小腸で吸収される(絨毛による吸収面積が大きい)
- 食事の影響やpHにより吸収効率が変動する
- 一部成分は消化管粘膜にダメージを与えるため、服用タイミングに注意
- 腸溶性製剤・徐放性製剤・口腔内崩壊錠などの工夫がされている製剤もある
薬の吸収と血流の流れ
- ① 消化管(主に小腸)で吸収:腸間膜静脈に入る
- ② 門脈(肝門脈)を通って肝臓へ:脾静脈などと合流して門脈を形成
- ③ 肝臓で代謝(初回通過効果):一部の薬が代謝され、残った薬が血流に乗って全身へ
- ④ 肝静脈 → 下大静脈 → 心臓へ:右心房に戻り全身に作用する
この流れを経るため、経口薬は効果が出るまで時間がかかります。
粘膜吸収(消化管以外)
- 舌下錠・坐剤・点鼻薬・点眼薬など
- 肝初回通過効果を避けられるため即効性が高い
- 舌下錠や点鼻薬は比較的速やかに全身に作用する
- 坐薬は直腸や膣に適用し、粘膜から吸収されて速やかに全身に分布する
鼻腔吸収
- 鼻粘膜は血管が豊富で薬の成分が素早く吸収される
- 初回通過効果を受けずに全身に分布する
- 通常は局所作用を目的に使用(花粉症など)
- ただし全身性副作用が出ることもある(特にステロイド成分)
皮膚吸収(経皮吸収)
- 例:湿布薬・外用軟膏・塗り薬・経皮吸収型製剤(ニトログリセリンパッチなど)
- 通常は局所作用を目的とするが、経皮吸収型製剤は全身作用を目的に使用
- 広範囲に使用した場合、全身的な副作用が出ることがある
3. 主な用語のまとめ
| 用語 | 意味・ポイント |
|---|---|
| 全身作用 | 血流に乗って体全体に効く作用 |
| 局所作用 | 特定の部位にのみ作用する |
| 肝初回通過効果 | 経口薬が肝臓で最初に代謝され、効果が減少する現象 |
| 舌下錠 | 舌の下から吸収。即効性が高く肝初回通過を避けられる(禁煙補助薬・狭心症のニトロなど) |
| 点鼻薬 | 鼻粘膜から吸収。通常は局所作用だが成分により全身作用あり |
| 経皮吸収型製剤 | 皮膚を通じて成分が吸収され、全身に作用を及ぼす薬 |
補足|うがい薬・合剤の注意点
- うがい薬(例:ポビドンヨード)は粘膜に作用するが、飲み込むと全身性の影響が出ることもある
- 合剤(複数の成分が含まれる薬)では、相互作用による副作用にも注意が必要
補足|皮膚トラブルとセルフケア
肌荒れ・にきび・湿疹・皮膚炎・かぶれの多くは、「バリア機能の低下」と「刺激の蓄積」が根本にあります。乾燥・皮脂の分泌異常・生活習慣の乱れ・ストレスなどが重なって起こります。
日常のセルフケアポイント
- 十分な保湿(アミノ酸・尿素・乳酸など)
- 皮膚の清潔を保つ(ただし強すぎる洗浄は逆効果)
- 紫外線・摩擦・汗・ストレスを避ける
- 低刺激・油分控えめの洗顔料・化粧品を選ぶ
湿疹・皮膚炎の多くにはヒスタミンが関与しているため、かきむしると悪化します。症状が改善しない場合は医師への受診をすすめましょう。
試験で押さえるキーワード(直前チェック用)
全身作用と局所作用
→ 全身作用=血流に乗って全身へ/局所作用=特定部位のみ
肝初回通過効果
→ 経口薬が肝臓で代謝されて効果が減少する現象
初回通過効果を避けられる剤形
→ 舌下錠・坐剤・点鼻薬・経皮吸収型製剤
薬の吸収の流れ(経口)
→ 小腸で吸収 → 門脈 → 肝臓(初回通過効果) → 下大静脈 → 心臓 → 全身
局所作用でも全身副作用が出ることがある
→ 目薬でのアレルギー反応、点鼻薬でのステロイド全身作用など
参考資料
※解説音声はAIツール「NotebookLM」で作成しています。読み上げの不自然さが残る部分もありますが、内容の理解を助けるものとして載せています。
公開日:2025年7月19日
最終更新日:2026年4月24日

