登録販売者 試験勉強

登録販売者試験 #27胃腸薬❶

yamadap1984@

【第1回】胃腸に作用する薬とは?―制酸薬・健胃薬・消化薬の基礎を解説!

胃腸の不調に対応する市販薬は多くありますが、それぞれの薬がどのような作用を持ち、どんな症状に適しているかを理解して選ぶことが重要です。
今回のシリーズでは、胃腸に作用する代表的な薬をテーマ別に簡潔に解説していきます。第1回目は、最も身近な「胃の薬」として知られる制酸薬・健胃薬・消化薬の働きと成分について取り上げます。

胃の薬(制酸薬・健胃薬・消化薬)

1)薬が症状を抑えるしくみ

▶ 制酸薬

制酸薬は、胃酸の分泌過多による胸やけや、腹部の不快感、胃痛などの症状を緩和することを目的とする医薬品です。胃酸の分泌を抑える、または、胃酸の働きを弱める成分が含まれています。

▶ 健胃薬

健胃薬は、弱った胃の働きを高めること(健胃)を目的とする医薬品です。芳香性の生薬や成分の特性を活かし唾液や胃液の分泌を促して胃の働きを活発にします。

▶ 消化薬

消化薬は、食べた物の分解に働く酵素を補うことにより、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする医薬品です。

▶ 総合胃腸薬

総合胃腸薬は、制酸、胃粘膜保護、健胃、消化、整腸、鎮痛鎮痙、消泡などの作用を目的とする成分を組み合わせた医薬品でさまざまな胃腸の症状に幅広く対応できるよう配合されています。
ただし、制酸と健胃のように一見逆の作用をもつ成分が配合されている場合もありますが、「とりあえず胃がすっきりしない」みたいな自覚症状が分かりにくい人が飲んでも全体的に良くなるような設計をされている事が大半です。
同じ症状に対しても使用者によって効果が異なることがあるため、自覚症状がはっきりある時は、症状に見合った成分のみが配合された薬を選択した方がよい場合もあります。

このように、胃腸の不調に使われる薬にはそれぞれ異なる目的と作用があります。次回は「制酸薬」の主な配合成分や注意点について、もう少し詳しくご紹介していきます。

アルミニウムを含む成分

(胃薬、整腸薬などに含まれることが多い)

長期使用で「脳症」や「骨症」のリスクも。腎機能が弱い人は特に注意!

アルミニウムを含む成分は、制酸作用があり、胃酸を中和して胃の不快感をやわらげるために使われることがあります。しかし、長期的に使用するとアルミニウム脳症やアルミニウム骨症といった副作用が報告されています。

特に注意が必要なのが、透析治療を受けている人や、腎機能に障害のある方。アルミニウムは腎臓で排出されにくくなるため、体内に蓄積しやすくなり、神経障害や骨の変性を引き起こすおそれがあります。

一時的な使用であれば大きな問題にはなりませんが、胃薬などでアルミニウムを含む製品を漫然と使い続けることは避けましょう。成分表示をチェックし、不安がある場合は医師や薬剤師に相談を。

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