登録販売者試験#25うがい薬

yamadap1984@

口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)の基礎と成分解説

  1. 口腔咽喉薬・含嗽薬とは

口腔や咽頭の炎症や不快感を和らげるために使われる外用薬です。トローチ剤、スプレー剤、含嗽薬(うがい薬)などの形で提供され、殺菌や抗炎症効果のあるものをいいます。

  1. うがい薬(含嗽薬)の目的

口腔・咽頭内の「殺菌・消毒・洗浄・消臭」を目的として使われます。風邪や咽頭炎の予防や初期対応としてだけでなく、治療後の清潔保持にも用いられます。

  1. 配合される主な成分と作用

【抗炎症成分】(炎症を抑える)
成分名
代表例:グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸
主な作用
喉の腫れ・痛み・声のかすれなど、粘膜の炎症を抑える。粘膜修復も目的とされる。
水溶性アズレン(アズレンスルホン酸ナトリウム)などが配合される場合も

【殺菌消毒成分】(細菌やウイルスの繁殖を抑える)
成分名
セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、ポビドンヨード、クロルヘキシジングルコン酸塩、チモールなど
主な作用
口腔内・咽頭に作用し、細菌の増殖を抑える。

【注意点】
• ヨウ素系(ポビドンヨード)は特に注意が必要です。アナフィラキシー等生命に関わる全身症状や、甲状腺機能に寄与が大きいため、甲状腺機能疾患がある方や、胎盤の血液関門を通過するため、胎児の甲状腺に影響することもあります。

•   妊婦・授乳中・乳児・甲状腺疾患のある人は、特にヨウ素系成分(ヨウ化カリウム、ヨウ素など)の使用に注意。歯科治療の際の金属製材料が変色することがある。
•   クロルヘキシジン系:アナフィラキシーが起こることも。

傷やただれがあると使用を避けたほうが良い。

  1. 代表的な製剤例と注意点

トローチ剤(口中にゆっくり溶かして使う)
• 殺菌成分や局所麻酔成分が粘膜に作用。
• 誤嚥や気管支への誤吸引を防ぐため、乳幼児や高齢者には注意が必要。

含嗽薬(うがい薬)
• 調製して使うタイプが多く、濃度が濃すぎると粘膜を刺激。薄くても殺菌効果を得られない。
• アズレンやグリチルリチン酸などの抗炎症作用を含むものも。
• うがいの仕方も重要。深く息を吐きながら喉を開くように意識する。

  1. 使用時の注意事項
    • 誤嚥のリスクがある場合(嚥下困難・麻痺等)には医師に相談。
    • 強い喉の痛みや数日以上続く症状がある場合は、扁桃炎・咽頭がんなど重い疾患の可能性があり、受診が必要。
    • 声がかすれる・喉の違和感が続く場合も早めに受診。

このように、口腔咽喉薬やうがい薬は、喉のトラブルに対するセルフケアの要です。しかし、含まれる成分の作用や注意点を理解せずに使用すると、かえって症状が悪化することもあります。
製品を選ぶ際は、成分表示と「自分の体調や持病」をよく照らし合わせることが大切です。

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セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物

(殺菌・消毒成分)

口腔内・喉の殺菌に使われるが、ウイルスには無効。

これらは陽イオン系の消毒成分で、主にうがい薬や喉スプレーなどに配合され、細菌や真菌(カビ)に対する殺菌効果があります。

ただし、結核菌やウイルスには効果がないため、風邪やインフルエンザなどの予防・治療としては限界があります。過信せず、補助的に使うことが大切です。

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