登録販売者試験 #32胃腸薬❻

第1類医薬品等の胃薬まとめ:ガスター・パリエットなど
【第1類医薬品とは?】
• 一般用医薬品のうち 副作用などのおそれが特に高く、使用に当たって特別な注意が必要な医薬品。
• 購入時には薬剤師からの説明が必須で、登録販売者は販売できない。
H2ブロッカーとPPIの違い
比較項目 | H2ブロッカー(ガスター) | PPI(パリエット) |
作用部位 | H2受容体 | プロトンポンプ |
効果の強さ | 中程度 | 強力 |
作用時間 | 短め(12時間以内) | 長め(24時間以上) |
即効性 | 比較的速い | 少し遅い |
販売形態 | OTC(第1類医薬品) | OTC(要指導医薬品) |
主な副作用 | 頭痛、便秘、発疹など | 腸管感染リスク、ビタミンB12欠乏、骨粗鬆症のリスクなど(長期使用時) |
使用上の共通注意点
• 2週間以上連続して使用しない。
• 症状が改善しない・悪化する場合は速やかに受診。
• 医療機関で処方されている薬と併用する際は、必ず医師・薬剤師に相談。
• ピロリ菌除菌後の逆流性食道炎再発などにも使用されるが、自己判断での使用はNG。
販売に関するポイント
• 第1類医薬品のため、販売には薬剤師の対面・書面での情報提供が必要。
• 登録販売者のみの店舗では販売できないため、該当商品は陳列していても実際には「販売不可」。
• 購入者が長期連用しているようであれば受診勧奨を。
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スイッチOTCとは?
スイッチOTCとは、もともと医療用医薬品として使用されていた成分が、一定期間の安全性や有効性が確認された後に、一般用医薬品(OTC)として販売が許可されたものを指します。
•Switch(切り替え)の意味から、「医療用 → 一般用」に切り替えられた薬。
• 多くが第1類医薬品に該当する(薬剤師による説明が必要)。
代表的なスイッチOTCの例
成分名 | 一般名(商品例) | 用途 | 分類 |
ファモチジン | ガスター10 | 胃酸抑制 | 第1類 |
ラベプラゾールNa | パリエット | 胃酸分泌抑制 | 要指導 |
ロラタジン | クラリチン | アレルギー性鼻炎など | 第1類 |
トラネキサム酸 | トランシーノ | しみ、肝斑 | 第1類(外用は第2類) |
エピナスチン塩酸塩 | アレジオン20 | 花粉症など | 第2類 |
スイッチOTCの特徴・意義
メリット
• 病院に行かなくても治療ができる(軽度な不調のセルフメディケーション推進)
• 医療費の削減(特に国の医療費負担軽減の観点からも重要)
• 信頼性の高い成分が使われている(長期的な使用実績がある)
注意点
• 自己判断による過剰使用・長期使用のリスク
• 一般用になっても用法・用量を守ることが重要
• 症状が改善しない場合は、医療機関の受診が必要
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販売現場での登録販売者の注意点
• スイッチOTCの多くは第1類医薬品のため、登録販売者のみでは販売不可。
• 消費者からの質問に対しては、薬剤師に引き継ぐことが必要。
• 成分の特徴や副作用についても基本的な理解は持っておくと信頼されやすい。
